[PR]この占いで運命を切り開け!:無料診断でわかる血液型のヒミツ

Home | Diary | CD Pickups | Lasairfhíona

Travelogue Eire

2003 年12月−2004年1月のアイルランド探訪の報告ページです。
 実用篇・雑人物点描風景点描、の順で説明していきます。
 内容の多くは、Blog Mhichil という ブログ・サイト で発表したものです(旧 URL: http://ch.kitaguni.tv/u/3323/)。歌は主にこちらでじっくり書いていく予定です。なお、「冬のゲールタハトを訪ねて」と題する旅行記を クラン・コラ に書きました。バックナンバーとしてはもう読めませんので、こちらの 「詳註版 冬のゲールタハトを訪ねて」 をご覧ください。

 今回の旅の主目的はシャン・ノース歌手に会うこと、およびゲールタハトを訪れることでした。その両方とも果たすことができ、今後への手がかりを少しつかみました。

 なお、ドネゴールで参加した フランキー・ケネディ・ウインター・スクール (FKWS) のもようについては、こちら にすばらしいフォト・アルバムがあります。この写真を撮ったかたは、おそらく今回の探訪でお世話になった旅の達人だと思います。この冬季学校の 概要報告 とがアルタンのサイトにあります。また、同校の基盤ともいえるドネゴール伝統音楽をふまえた 説明 をダーモット・マクラフリンが書いています。

■ 実用篇・雑

[back to TOP]

■ 人物点描

ドネゴール
  • Lillis O Laoire → 今回はこの人に会うのが主たる目的 (関連記事
    【補足】 リリス・オ・リーレ はアイルランドと米国とを股にかけて活躍しています。奈良や京都にも来たことがあるらしい。あちこちのワークショップなどでもひっぱりだこだし、仕事は猛烈にやっていて、忙しいことこのうえない。そんな彼に会える機会はめったにないので、今回は準備期間が一週間しかなかったけれど、思いきって会いに行きました。たくさんの歌をならい、たくさん話をしました。なお、リリスの書いたものは、特に最近のものは、論争を呼ぶ、かなり刺激的なもので、理論的な枠組みが先鋭です。その方面に関心のある向きは、ぜひ 掲示板 に書きこんで下さい。
  • Blath Gach Geag da dTig → リリスの主アルバム (関連記事
    【補足】 これがソロとしては唯一です。ほかに、彼の歌が聞けるものとして、《Datgan》 があり、これは4人のすばらしい歌声をすばらしい録音で収めており、一聴をお薦めします。

  • リリス・オ・リーレの 著作リスト → 多数あり、まとめるだけの時間がないので、アイルランド語で書かれた下記のトーリー島の伝統音楽についての著以外で、重要な英語の論文を四つだけ挙げておきます。
    1. Anthony McCann and Lillis Ó Laoire, 'Raising One Higher than the Other' (in Global Pop, Local Language, eds., Harris M. Berger and Michael Thomas Carroll. UP of Mississippi, 2003)
    2. Lillis Ó Laoire, 'National Identity and Local Ethnicity: The Case of the Gaelic League's Oireachtas Sean-Nós Singing Competitions' (in The Phenomenon of Singing 2, eds., Brian A. Roberts and Andrea Rose. Memorial U of Newfoundland, 2000)
    3. Lillis Ó Laoire, 'Údair Úra / New Authorities: Cultural Process and Meaning in a Gaelic Folk Song', New Hibernia Review, 3.3 (1999), 131-144.
    4. Lillis Ó Laoire, 'Traditional Song in Ireland: Living Fossil or Dynamic Resource?' (in The Phenomenon of Singing, ed., Brian A. Roberts. Memorial U of Newfoundland, 1998)
  • DVD Sinéad O'Connor: Goodnight, Thank You. You've Been a Lovely Audience (2003) → シネード・オコナーが 《Sean-Nós Nua》 で歌った英語とアイルランド語の歌について、リリス・オ・リーレが詳しい解説をしています。非常に参考になる内容です。
  • ドネゴールの歌唱伝統のコンテストエラハタス・ナ・ゲールゲ に関してリリス・オ・リーレから得た情報

  • Eamonn CassetteÉamonn Mac Ruairí → リリスは、エーモン・マク・ルアリー というトーリー島出身の有名な歌い手に会わせてくれました。娘さんのパトリシアと一緒に録音したすばらしいカセット・アルバム 《Toraigh Ó Thuaidh》 があります(右の写真)。この父娘は FKWS 期間中の歌のコンサートにも出演しました。エーモンはシャナヒー(語り部)としても著名で、トーリー島にまつわるさまざまの話を知っています。ひとつシャナハス(語り)をぜひとお願いすると、舟のレースの実話を、すばらしいアイルランド語で話してくれました。ドネゴール・アイルランド語とは少し違う、トーリー島独特の発音でした。アイルランド語によるシャナハスはずいぶん前に滅びたと聞いていたのですが、どうしてどうして、まだ残っているそうです。ゴールウェーでも聞けるとのことでした。
     ちなみに、リリスはトーリー島の音楽について、Ar Chreag i lár na Farraige: Amhráin agus Amhránaithe i dToraigh (CIC, 2002) という CD 附きの本を著しています。

    【補足】 エーモンの家はリリス・オ・リーレの実家のあるゴータホークからさらに迷路のような道をオールドタウンのほうへたどったところにあります。訪れたのは元日だったのですが、エーモンは紅茶を淹れてくれ、二年前に作った歌<Bádaí na dTrí Seol>(三つ帆の舟たち)を聞かせてくれました。過ぎし日の生活をみなが忘れないために、かつてのニシン漁のもようを歌にしたのだと言っていました。トーリー島で獲ったニシンを売るために、二人の男が舟を二時間漕いで本土に向かったのだそうです。なお、この舟 bád の複数形 bádaí はドネゴール・アイルランド語の形です。普通は báid になります。
     エーモンはゆえあって今は本土に住んでいます。こういうかたの歌がシンギング・セッションなどで聞けるとよいのですが、ほとんど開かれないそうです。なぜかと訊くと、みんな歌に興味がないのだそうです。残念なことです。FKWS のような機会を別とすれば、このように訪ねて行くしか、歌を聞くことができません。ただ、夏のトーリー島では歌や音楽はたっぷり聞けるとのことでしたので、他日、訪れてみたいものです。
     もう一つ、エーモンの家ではリリスも歌ったのですが、エーモンが 'maith thú' (いいぞ)と合いの手を入れていたのが印象的でした。ドネゴールの発音だと「マイ・フー」のようになります(コナマラだと「マー・フー」)。そうそう、夜遅くホテルへ帰ると、知らない人が 'oíche mhaith!' (イー・ワイ、おやすみ)と声をかけてくれました。ちょうど、日本語の「(これで)いいわい」にも似た音でした。ぼくはドネゴール・アイルランド語は別に勉強していなかったので、その音は初めて聞いたのですが、なぜか瞬間的に分かりました。いま想いだしても、人々のあったかさが懐かしく感じられます。

  • Dermot McLaughlin → 今回ドネゴールで見た男性フィドラーでは ダーモット・マクラフリン に一番惹かれました。John Doherty の正統な継承者はこの人では。彼の写真はフィドラーたちにまじって こちら で見ることができます。また、こちら では三人の中の一人で映っています。彼が書いた FKWS についての文章 はドネゴールのフィドルの伝統についてのすばらしい記述です。ダブリン在住の Kaz さんによると、彼の録音は、Fiddle Sticks の 《Racket in Rectory》 (1999) や James Byrne の CD での数曲のゲスト参加などがあるそうです。それから、純さんによると、そのほかに、《The Fiddle Music of Donegal vol. 3》 にも5トラック収録されているそうです。いかにも人柄のよさそうな人物で、一言二言話したおりに、向こうがこちらのことを知っていたのにはびっくりしました。

  • Méabh O'Hare → 今回ドネゴールで見た女性フィドラーでは メーヴ・オヘア に一番惹かれました。アイルランドのカトリーナ・マクドナルドだって思ったほど清冽な演奏でした。弾いているときの表情がよくて、曲が生きている感じがしました。ダブリン在住の Kaz さんによると、今は出身地のベルファストに住んでいるそうです。コナー・バーンと作った 《Bavan》 というアルバムは2003年のフィドル・アルバムの中でも屈指のできではと思います。このアルバムのトラック1は カスティーズ でのライヴ録音があります(純さん情報)。メーヴの写真は こちら のギャラリーにあります。一時、ダブリンのバンド Providence のメンバーをつとめ、アルバム 《Providence》 (1999) の録音に参加しています。今聞きかえしてみると、トラック13が現在のメーヴの感じに少し似ています。でも、どの録音も生の躍動感には及びません。

  • Seán McKeown → ドネゴールのパインピングの未来をになうのは ショーン・マッキョーン ではと感じます。パブでのセッションや FKWS 期間中のコンサートで聞きましたが、とくにジグの演奏の凄まじさには舌を巻きました。グィー・ドールでおこなわれた大晦日のカウントダウン・パーティで、2004年に突入した瞬間、向こうのほうから握手を求めてきたのには感激しました。ひょっとしたら、Gay McKeown のこの アルバム に演奏が収められているかもしれません(未聴)。

  • Doimnic Mac Giolla Bhríde → ドネゴールの男性シャン・ノース歌唱の未来をになうのは間違いなく ドミニク・マク・ギラ・ヴリージェ (現在26歳)でしょう。ショーン・マッキョーンと同じく、日の出の勢いを感じさせます。すでに数々の賞を得ていますが、2002年のエラハタスの男性歌手部門では見事一位に輝きました。ちなみに、そのときの女性部門一位は Róisín Elsafty でした。一番最近では2003年秋のエラハタスでオ・リアダ杯の三位になったのも堂々たる成果です。今回、FKWS では二回聴くチャンスがありましたが、すばらしい声でした。
     そのドミニクが 4月に来日 し、東京・京都・大阪で 公演とワークショップ をおこないます。後にも先にも、脂の乗ったシャン・ノース歌手の来日というのは、もう機会がない のじゃないかと思います。アイルランドでもシャン・ノースのギグというのはめったにありません。 昨年秋のエラハタスのオ・リアダ杯で三位ということは、現在、老若男女ぜんぶ含めて、シャン・ノースに関しては トップクラスの一人ということになります。ドミニクはイラン・パイプスも達者だそうです。


コナマラ
  • O Cuaig BookMicheál Ó Cuaig → 今回の旅の第二の目的は ミホール・オ・クィグ さんを訪ねることでした。アイルランド語詩の賞をヌーァラ・ニ・ゴーナルと分け合ったほどの、現代最高の男性アイルランド語詩人の一人ですが、現在は詩作活動をしていないそうです。右の写真は彼の詩集 Clocha Reatha です。電話では、言葉を選びつつ話す寡黙な人という印象だったのですが、実際に会ってみると、言葉は選んでいるのですが、その回転が猛烈に速く、弾丸のようにアイルランド語や英語が飛んできました。多くのアイルランド語話者と同じく、英語を話す前は一瞬あたまの中で考えているそうです。Joe Heaney のアルバム 《Say a Song》 はオ・クィグさんの一家にささげられています。彼は毎年ジョー・ヒーニー・フェスティヴァルをヒーニーの命日頃に開催しています。

  • Bríd Ní Mhaoilchiaráin → 2002年のエラハタス・ナ・ゲールゲでオ・リアダ杯を史上最年少で獲得した ブリージ・ニ・ウィルヒアラーン (現在28歳)は、先ごろ、東京で放映された「ディープ・プラネット」というTV番組に映っていました。ミホールが会わせてくれ、アイルランド語の歌について、いろいろの話をしました。ブリージの力強く、かつ、優美な歌声はほかでは聴けない種類のもので、聴き手を惹きこむようなスケールの大きさを感じます。これほど深い<アイリノール・ア・ルーン>の解釈は初めて聴きました。喉の調子が悪く、二連で歌い終わりましたが、じつは第三連もあると聞き、驚きました。コナマラには二連までのヴァージョンしか伝わっていないと聞いていたからです。まだ、ソロ CD がありませんが、ぼくの予想では2004年中に出ます。ブリージが18歳の頃の録音が2曲 《Musical Travel Ireland》 (Silex YA 225704, 1994; 廃盤) に収められており、すでにすばらしい歌唱を聞かせています。なお、このアルバムはめったに中古市場にも出ませんが、出たら即買いの価値があります。他のアーティストによるトラックも秀逸です。

  • Johnny Mhairtin CDJohnny Mháirtín Learaí Mac Donnchadha → コナマラを代表する歌い手の一人で、やはり、ミホールが会わせてくれましたが、アイルランド大統領に会ったときの話などをしてくれました。じつに美しい声の持ち主です。録音は数点ありますが、ソロ CD としては 《Contae Mhuigheo》 があります(右の写真)。ジョニー・ワールティン・ラリー・マク・ドノフー という名前について説明すると、彼の名前はジョニーで、そこに属格で二つの名が続き、お父さんの名がマールティン、お祖父さんの名がラリーです。苗字はマク・ドノフーです。これだけ長くなるのは、同じ名前の人が多いので父や祖父の名を持ち出して識別する必要があるからですが、同時に、この共同体ではみなが父や祖父のことをよく知っていることも表します。ちなみに、お父さんの名はここから、自動的に分かります。そうです、お父さんはマールティン・ラリー・マク・ドノフーです。

  • Seán McKiernan → ある人に言わせると、ショーン・マクキアナン はアイルランド一のパイパー。コークでクラシック・ピアノを教えていますが、いまはゆえあって郷里コナマラにいます。これもやはり、ミホールが会わせてくれたのですが、ショーン・オ・リアダにじかに音楽を習ったときの体験談を話してくれました。オ・リアダは決して学生たちのまえで楽器の実演をしなかったそうです。漢字に興味があるらしく、いくつか字を教えて差上げました。
[back to TOP]

■ 風景点描

  • Toraigh Islandトーリー島 → 今回は行けなかったのですが、海岸から遠くに眺めました。人面のようにも見え、いつかは行きたいとの想いを胸に しまいこんできました。こちら に Falcarragh の海岸から臨んだ写真があります。なお、リリス・オ・リーレは、トーリー島を沖合に臨むゴルト・ア・ホルカ(ゴータホーク)の出身です。

  • An Ghaoth Aduaidh CDエリガル山 → この山が見られるだけでもいいかなくらいの気持ちでいたので、見られて感激しました。かねてから、一度は見たかった山です。《北風》 というフルート・アルバムのジャケット写真(右)がそれです。クラダ などで買えます。このアルバムは錚々たる面々のソロ・フルートばかり収められていますが、ぼくはトラック10の Clodach Nic Ruairí の音色が今のところ一番気に入っています。この人は他にも録音があるのでしょうか。こちら に、旅の達人が撮ったすばらしい写真があります。また、エラハタスでアイルランド語詩の賞をとった詩に「山 エラガル」 (An Eargail) があります(Cathal Ó Gallchóir 作)。つぎのような詩です。

    Is mise an Eargail,
    ardchnoc Thír Chonaill
    (我こそはエラガル山、/ドネゴールの高き山)

    この詩は『うつくしいゲ−ル語読本 III』(カハル・オー・ガルホ−ル著、大学書林)に収められています。アマゾンあたりではヒットしませんが、入手は可能です。なお、この山は英語では Errigal Mountain などと書かれ、アイルランド語では An Eargail とか An Earagail と表記されます。

  • コナマラ → 火星と桃源郷とが合体したような不思議な景観でした。特に入組んだ海がつくりだす水域の幻想性は格別でした。ある種のオーラを含んだあの感覚はちょっと写真に捉えるのが難しいかもしれません。インターネットを 'Conamara' や 'Connemara' のキーワードで画像検索すると、いろんな人の撮った写真が出てきます。
 ぼくが撮った スナップ写真帳 もあります。その中にキル・キアラン(コナマラ)の写真が何枚かありますが、いずれもミホール・オ・クィグさんの家の前の景色です。馬のシルエットが映っていますが、隣家の馬だそうです。コナマラは有名なコナマラ・ポニーの産地です。ポニーというと子馬の感じがするかもしれませんが、地面から首のつけ根までが144cmくらいまでの馬がそれで、大人が乗るのにちょうどよい大きさだそうです。(甲州和式馬術探求会の 関連記事
[back to TOP]

■ 歌

  • Peigin mo Chroi → ダーヴィッシュの歌詞にはやや問題が (関連記事
  • Thug mé Rúide → この歌がリリスのワークショップの中心でした。その後、一ヶ月以上、この歌を研究してきましたが、魅力あふれる歌です。同時に、トーリー島方言をふくむことから、言語として相当難しい歌です。詳細を知りたい方がおられれば、掲示板 に書きこんでください。録音としては 《Seoda》 (CICD 118) で聞くことができます。旋律がまったく違う <An Caisideach Bán> (シャン・ノースのレパートリー中、大曲として有名)とはじつは深い関連があります。
[back to TOP]
(禁無断転載 © 2004 Mícheál H

Last updated: 13 June 2005


[PR][無料]足し算引き算で分かる:電卓で気になるあの人も恋人の相性も診断