Blog Mhichil ブログ・サイト(北国) (原 URL: http://ch.kitaguni.tv/u/3323/)初出のデータを収録しています。なお、全データを再録しているわけではなく、本ウェブサイトの アイルランド探訪の報告ページ に関わるデータのみを収集しています。データは基本的に初出時のままですが、表示フォーマットの違いから来る不具合などは修正してあります。
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クリスマス休暇にアイルランドを旅行した際、便利だったものが二つ。一つはプリペイド式の電話カード。いろんな会社が出しているが、ぼくは Planet という名前の10ユーロのをダブリン空港の売店で買った(Smart Telecom 社)。これで日本まで計100分くらいかけられる。2週間の旅では使いきれなかった。
http://www.smarttelecom.ie/
国際通話だけでなく、国内もかけられるが、ぼくは国内も使えるのを知らず、コインやクレジット・カードでかけた。国内と国際との両方に使っていたら、2週間でちょうど使いきれたろう。
それはともかくとして、仕組を簡単に書くと、カードの裏の真ん中へんをコインなどでスクラッチすると PIN コードが出てくる。あとは、指定された番号へ電話をかけて、この PIN コードを入力し、かけたい電話番号をかけるだけ。非常に簡単。ただし、当然のことながらプッシュフォンのみで使える。
ただ、電話機の種類がいろいろあり、公衆電話でさえ、まともに動かないものがあるので、液晶の表示をよく見ることが大切だ。電話番号を入れても何も表示されない電話機は壊れている。たいていの電話は、受話器をとると「ツー」という音が聞こえるので、そのまま電話番号を入力し、相手につながったらコインを入れる方式だが、始めからクレジット・カードを入れておける電話機もある。電話機の横にはたいてい分かりやすい説明が書いてある。
この Planet プリペイド・カードの場合は、指定された番号が二種類あり、うち一つは無料通話の番号なので、最初につなぐ際のコインもいらず非常に便利だった。ちなみに、コインは 20c、50c、1ユーロ、2ユーロなどを受付けるものが多い。
日本へかける場合は、00-81- のあとに市外番号から0を取去った番号、および相手の電話番号を入れる。すると、その時点で「あと87分しゃべれます」などとメッセージが流れる。日本とアイルランドとの時差は−9時間なので、アイルランドで夜の10時頃かけると日本では翌朝7時頃である。アイルランドで昼の12時頃にかけると日本では同じ日の夜9時頃である。この両方の時間帯をうまく利用すれば、かなりの確率で日本の相手につながる。
ちなみに、電話の音質はかなりよく、日本で使っていたインターネット電話より数段上と感じた。自動メッセージの声も非常にクリアであった。なお、カードの有効期間は、最初にかけた時から3ヶ月間である。携帯電話があるに越したことはないだろうが、ふだんから携帯電話というものをよけているぼくには、これで十分だった。〔2004年1月10日〕
クリスマス休暇にアイルランドへ旅行した際、便利だったものの二つ目は、ノイズキャンセリング・ヘッドフォン。ぼくは二種類持っているが、今回は耳穴に入るタイプの MDR-NC11 というものを持っていった(Sony 社)。価格は1万円くらい。飛行機の中で特に重宝した。ワールドモデル(型番のあとに JE が附く)を買えば飛行機の座席で使えるようなアダプタが附いており、エールフランスでは何の文句も言われなかった。それで、映画などをステレオで快適に聞くことができた。
ソニーeカタログサイト
ノイズキャンセリング機能をオンにすると、飛行機内のゴオーッという音が消えるかというと、はっきりそうとは分からないが、少なくともその種のノイズは気にならなくなり、聞きたい音に集中することができた。MD や機内用のサービス音楽などの音質はかなりましになると思う。
飛行機で13時間などという時間を過ごすのはかなり苦労するので、音の面だけでもノイズ感から少し解放されるのはありがたい。ノイズキャンセリング・ヘッドフォンのいいところは、音がよく聞こえるので音量を下げられることだ。この MDR-NC11(JE) という機種の場合、単4電池で動作するので、万一の場合にそなえてもう一本単4を持っていけばほぼ万全だ。
なお、実際に買う場合は、海外電気CLUB などの説明が分かりやすく、参考になる。
一つだけ気をつけるべき点は、シリコン製イヤーピースをうっかりして外して落としてしまう可能性だ。特に、搭乗を待っている間にも聞いていた場合には、そのままの状態で金属探知機のゲートをくぐるときに、上着を脱いだりする際にイヤーピースが落ちてしまうことがある。ぼくは実際にパリの空港で落としてしまい、必死で床を探しまわった。暗い照明の中で黒い小さな物体を探すのは大変である。あれがないと、装着感が格段に違う。以後は、上着の胸ポケットのところにヘッドフォン部分を大事にしまってからセキュリティ・チェックを通るようにした。ぶらぶらさせているのは危ない。
余談だが、このノイズキャンセリング・ヘッドフォンは原理的には電車内のノイズなどにも有効なはずだが、電車ではそれほどの威力を発揮しないようだ。日本の新幹線ではまだ試していない。ただ、待合室など、騒がしい場所では非常に効果があると感じられる。〔2004年1月12日〕
いつも思うが、ライヴ演奏でのフラッシュ撮影は、集中するタイプのミュージシャンにはどうなのだろうか。今回、アイルランド旅行で大部分同行したある方は決してフラッシュを使わず、いつも感度を上げて撮っておられた。見せてもらったが、十分にきれいな写真であった。
その方の場合は感度(ISO)が 1600 というモードまで使えるカメラだった。私のは 400 までしか設定できず、暗いパブでの撮影では、はっきり映らないか、手ぶれになってしまった。最近のディジタル・カメラはどのへんが普通なのだろう。
もう一つ。ディジタル・カメラの附属機能のビデオ撮影は3分くらいが限界だろうか。4−5分撮れるものもあるのだろうか。私のは最大2分で、一曲とるには短い。ビデオとしてではなく、記録的に一曲のもようを収めたいことがあるのだ。ビデオがカメラくらいに小さければ考えるが。〔2004年1月13日〕
今回のアイルランド旅行では Nissan のヨーロッパ・モデル Almeira という 1800cc の車に乗っていた。本当は狭い道を考えて 1200cc クラスの小さい車を予約してあったのだが、行ってみるとこの車になっていた。(右の写真はデリベグの宿の前で)
道を見つけるのは、特にゴールウェー空港へ向かうときにかなり苦労したが、それ以外は、まあまあ何とかなった。それより、キーレスエントリーが非常に助かった。というのも、遠隔操作でキーロックの解除をすると、前後のスモールランプが点滅して、車がどこにあるか教えてくれるのだ。このおかげで暗い駐車場で車を探すのが簡単だった。
コナマラからゴールウェーへ向かうことじたいは簡単なのだが、ゴールウェーに入ってから、ゴールウェー空港へ向かうのが大変だった。前日からいろんな人に相談した結果、北側の迂回路をとったところ、途中でラウンドアバウトのいくつめかで迷ってしまった。だが、ラウンドアバウトはUターンにも使えることを発見して、元へ戻り、何とか空港へは間に合った。次回は、市の南側の海沿いの道をとろうかと計画している。
今回は、ラウンドアバウトから枝分かれする道の表示が、予想と違ったことが原因だった。確かにこの方向のはずと思っていたのが表示がなかったので、迷ってしまったのだ。空港の位置も事前に聞いていたのとは少し違っていた。じつに小さな空港だった。〔2004年1月16日〕
もうひとつ、ゴールウェー空港で印象に残ったことがある。Aer Arann 航空のチェックインで Patagonia 製の機内持込用バッグ MLC (Maximum Legal Carry-On) が機内持込できなかったことだ。エールフランスなど国際線ではらくらくパスするのに、大きすぎるし重すぎると判定されてしまった。もちろん、同じバッグはその後、エールフランスで機内持込OKであった。つまり、国際ルールが Aer Arann では必ずしも通用しないのである。同航空のサイトで予めチェックした際、そういう基準を適用されるのではないかと思っていたが、案の定で、これでやや Aer Arann の印象が悪くなってしまった。
教訓。ゴールウェー空港は国際空港と考えてはいけない。貴重品等は機内持込が確実にできる小型バッグ等にあらかじめ積替えておくべし。
なお、ぼくは、持っていくのは、この MLC とトートバッグの二つだけである。これで二週間の旅行はらくらくいける。トートバッグはジッパー附きで中身がこぼれず、背負うこともできるタイプ。
機内持込の利点はいろいろあるが、今回最大のメリットと感じたのが、途中の乗継が短時間の場合だ。パリで飛行機を乗りつぐのに時間が少なく、もし、荷物を預けていたら移しかえられていなかったろう。その場合は、到着後、次便での荷物の到着を待つことになり、時間を損する。少なくとも、往路の場合は預けないほうが絶対に有利だ。ただし、帰路の場合は当面不要の荷物を預けることにすれば、あまり影響はない。帰国後、ゆっくり荷物の到着を待てるからだ。
この MLC のことを教えてくれた、次のページを感謝をこめて挙げる。
現在は残念ながらアイルランドへの直行便はなく、どこかで乗継をせねばならない。そこで、乗継対策は考えておく必要がある。〔2004年1月17日〕
無料のはずと思いこんでいると有料なのに気づかないことがある。
ダブリン空港のカート(手荷物を載せる手押し車、プッシュカート)を列から外そうとしてできないのを見かねて、教えてくれる人があった。1ユーロのコインを入れないとロックが外れない仕掛になっている。(右の写真は1ユーロのコイン。裏はアイルランドだとハープの図柄)
ということは、予め1ユーロのコインをポケットに入れておかねばならないわけだ。これはヨーロッパから到着した人のことしか考えていないとしか思えない。非ユーロ圏から初めて来た人はコインは持っていない。事情通なら、空港に着いてすぐコインに両替するだろうが、知らなければそこまで頭が回らない。
ぼくの場合はスーツケースではなく、MLC だから、でかいショルダーストラップを使ってひょいと担いで行った。……と書きたいところだが、ぼくはそんなに力持ちではじつはない。ひょいではないが、担ぐことは確かにできた。〔2004年1月19日〕
この単語は辞書に出ていないが、パブで出す食事のことである。出さないパブもあるので、それが目的だったら、入ってすぐバーマンに訊く必要がある。
ホテルでも、れっきとしたレストランだとそれなりの値段がするが、中のバーとか、ロビー風の場所で簡単な食事ができる場合は、バーフード並みの値段で結構まともに食べられる。
こうした情報は、みな同行したあるかたに教えてもらった。毎年のようにアイルランド旅行をしている達人である。
今回の旅行でいちばんおいしかったのは、カルナのホテルでとった軽食であった。簡単にスープとサンドイッチとサラダを食べただけであるが、じつに旨かった。できれば、このホテルにはまた行くつもりである。毎年、ジョー・ヒーニーのフェスティヴァルが命日前後にそこで行われるからだ。
仮に朝食附きの宿をとった場合で、アイリッシュ・ブレックファストが頼める場合は、結構な満腹感があるので、一日二食でもじゅうぶんやって行ける。冒頭の写真はダブリンのホテルでのアイリッシュ・ブレックファスト(向こう側にちらっと映っているのが旅の達人)。これが出ない場合は、コンティネンタル・ブレックファストですが、と断られる。つまり、ベーコンやソーセージは附かない。
この旅の達人によると、B&Bの評価はベーコンで決まるという。つまり、どれくらい、いいベーコンを使っているかということだ。ぼくが今回泊まったB&Bは残念ながらコンティネンタルだった。しかし、ヨーグルトが食べられたので有難かった。〔2004年1月20日〕
今回のアイルランド旅行で、二人の人に元 ちとせを聞かせた。今や幻の名盤となった(?)奄美島唄集のアルバム《故郷・美ら・思い》である(セントラル楽器)。(右の写真は再版時のジャケット。現在は再々版)
ある人から持っていくのを奨められたからである。その人は民族音楽学者だが、世界のなかで、奄美ほどアイルランド(やアパラチア)に近い音はないと断言し、ぼくが訪ねる予定のミホール・オ・クィグはきっと喜ぶだろうと進言したのだ。が、予想以上の反応が返ってきた。聞かせたのはもちろん<嘉徳なべ加那>である。
ミホールはコナマラの心臓部に暮らしているアイルランド語詩人である。元を聞かせると、奥さん(マレード)ともども、一言も発せず、しばらくじっと聞いている。こちらも口を開けられないほどの雰囲気になる。
そのうちに、ミホールの娘も、流れている音を耳にして聞きに来る。みんなじっと聞いている。反応を聞くのがこわいぐらいになったが、そのうち、奥さんが次々とアイルランド音楽をかけ始める。まるで、対抗するように。それも、とびきりいいものばかりかける。明らかに、彼らの中の何かを刺激したようである。
どうやらミホール夫妻は元を気に入ったようである。リリス・オ・リーレにも聞かせたが、彼は、よいと、淡々と話した。ミホールは、その後、会う人ごとに、元のことを話す。彼は、じつは元をかけてからしばらくして一緒にハミングしだしていたのを想いだす。
ミホールのことについて、もうちょっと書く。前にも書いたけれども、女性で現代最高のアイルランド語詩人にヌーァラ・ニ・ゴーナルという人がいるが、ミホールはヌーァラとアイルランド語詩の賞を分け合ったほどの人である。ただ、今は詩の活動はしていないらしい。電話の声はまことに寡黙で、言葉を選びながら静かに知的に話す印象だったのだが、いざ会ってみると、弾丸のように言葉が飛んできた。<言葉の民>ということばが頭にうかぶ。コナマラの住人はみなそんな感じだ。一見寡黙に見える人でも、それは言葉が内部に渦巻いていることと矛盾するものではない。カスラから電波を送るRnaGはそんな地元の声を世界に届けている。〔2004年1月21日〕
旅の達人はローカル新聞が面白いと教えてくれた。
そこで、日本でもウェブ上で簡単に読める Irish Times みたいな全国紙でなく、ドネゴールやゴールウェーの地方紙を積極的にニューズエージェンシーで買い求めた。
アイルランド語の新聞は見つけたら必ず買うようにしたが、二種類しか見かけなかった。前から知っていた Lá と Foinse である。値段の割りに薄い前者に比べて、後者は内容豊かで、アイルランド情報を仕入れるならこちらだと思った。定期購読も可能なようである。
ただ、面白いことに、ウェブサイトはこの逆に Lá のほうがずっと充実している。Foinse はあまり更新されていない。〔2004年2月2日〕
アイルランド人はカトリックであれば主日(日曜日)や大祝日にミサへ行くというというのは当然のことである。
今回の旅行中、二度あった日曜日に、ぼくは地元のカトリック教会へ出かけた。いずれも熱心な人にたくさん出会ったが、やや驚いたことに、いずれも30分ほどでミサは終わった。日本だとその倍はかかる。
時間が短いのは歌をほとんど歌わなかったからだろう。もちろん、時間帯によっては歌ミサもあるだろう。ぼくの夢のひとつはショーン・オ・リアダ作曲のミサ曲を使うミサにあずかることだ。うららさんはその経験があるらしい。ウィリー・クランシー・サマー・スクール中の日曜日にはそういうミサがあると聞く。ショーンの息子パダルは今も聖歌隊を率いているはずである。パダルに会ったら伝えねばならないことがある。〔2004年2月4日〕
トーリー島には教会はある。だが、医師がいない。 もしものことがあれば、ヘリコプターで患者を本土へ搬送する必要がある。
このことは、多くの島で深刻な問題である。 辺鄙なところへ追いやられた人々のあいだでアイルランド語の文化が豊かに残っていることは、寿ぐべきことであると同時に、日常の生活で多大の不便を、それも生命の危険にまでかかわる不都合を強いられることを意味する。
何と厳しい生活だろう。彼らの美しい歌を聴くとき、ぼくは胸が高鳴ると同時に痛くなる。〔2004年2月6日〕
一度は CIC に行ってみたかった。
が、なかなか見つけにくい場所にある。往路では見つけられず、帰路、目印をよく聞いて慎重に運転したら、やっと見つかった。
日本のTV番組で見たというと、その関係者が出てきて、ビデオが届いたところでまだ見ていないという。ともあれ、CIC をはじめ、各種レーベルのカセットなどをじっくり見る。探しもののカセットはなかったが、レコード棚で意外なものを見つけた。アイルランド伝統音楽のライヴ盤で最高と思っているウォーターフォードの《Cois Mara Thoir sa Rinn》があったのである。確か、まだ数枚はあった。これの CD 盤は今や非常に稀少盤で、めったにない。カセットなら手に入る。かのキアラン・ガルウォーンの歌とピアノ・アコーディオンの超絶名演が入っている。〔2004年2月19日〕
Last updated: 24 March 2005